ギフテッドのアイデンティティ形成モデル

私達が、自分は何者で、人生で何をなすべきなのか、そして社会の中において
自分の所属する場や位置とは何なんだろうか?などといった、”自らが自分に
対して抱く概念”
セルフ・アイデンティティ/自己同一性を発見する事は、
時には長く苦しいプロセスとなるかもしれません。


得にギフテッドの人達にとっては、このプロセスは更に困難で長期に及ぶ場合
が多く、中には一生かけてのタスクとなる場合もあるでしょう。


ギフテッドの人達は早くから、”自分は人と違っている””なぜか周りにうまく
フィトせず、浮いた感じがする”
などと言った違和感を感じてしまうのだけど、
その原因がいまいちはっきりと理解できない事から、(ギフテッドという概念
の認識がない為)”自分には何らかの問題や欠陥があるのでは?”と思い込んで
しまう事も少なくなく、それらが歪んだ自己のイメージやセルフ・コンセプト
(自己概念)を抱いてしまう原因ともなり得るようですね。


その為か、ギフテッドの人達の間には”鬱”で悩む人も結構いるみたいです。


自らのギフトを認識し、充分に発達した”自己のアイデンティティ”を獲得する
事は、ギフテッドの個人の”自己発展”の為には極めて重要な事であり、その為
ギフテッドの子供達がそう言った歪んだ、もしくは間違った自己概念を抱かない
ようにするには、彼らが感じている違和感や他人との違いは、決して彼らに問題
や欠陥があるからではない、
と言う事を早くから伝えてあげる事が大切だという
事であります。


多くのギフテッドの人達が、ギフテッドであるというのはどういう意味なのか、
そして個人の可能性をどう発達させて行けば良いのか?などと言った思いに日々
色々と疑問を抱いたり、悩んだりしているケースも多いとは思いますが、こう
いった分野(自己のアイデンティティ形成の発達)に詳しい教育者や専門家に
よるカウンセリングなどの援助や支援が、健全な自己概念、アイデンティティ
を形成するのにとても効果的なようですね。



その際に利用されているのが、ギフテッドのカウンセラーである、
Andrew S. Mahoneyによって開発された”The Gifted Identity
Formation Model”
(ギフテッドアイデンティティ形成モデル)と言う
マトリックス式モデルのようです。


The Gifted Identity Formation Modelに関しての詳しくは、
 こちらのリンクをご覧下さい。)
      ↓
「Counseling the Gifted: The Gifted Identity Formation Model」


このモデルはギフテッド当人にとっては、ギフテッドであるという事がいかに
あらゆる物事や、自分自身に対しての見方に影響しているかを探り、自分自身
の理解を深めて行くのに役立ちますし、カウンセラーにとっては、これらの
情報は個人にとって適切で的を得た効果的なカウンセリングを提供するのに
非常に役に立ちます。


そしてもちろん、親にとってもギフテッドの子供の認知や思考の傾向を伺う
事ができ、日頃の対処の参考になりますね。


Andrew S. Mahoneyによりますと、ギフテッドの定義付けも難しいけども、
”アイデンティティ”というのもこれ又定義するのが困難で、”アイデンティティ
の形成”
とは、まぁ基本的には”自分は一体何であるのだろうか?”という疑問
に答えようとする、一生涯かけてのプロセスであり、私達は常にこの疑問を
問い続け、時には今まで見えなかった”別の自分”さえ発見したりと、”自己の
アイデンティティ”というものは常に変動し続けるもののようですねぇ。


う〜ん。 これ、わかるような気がします。


私自身、これまでの人生を振り返ってみても、若い頃に感じた”自分自身”と
いうものが、今のそれとは随分違っていたりするのに気がつき、どっちが本当
の自分なのか? それともどちらも実際の自分ではなく、自分自身、未だに
本来の自分が理解出来てないのだろうか? など考えていたらわけがわからなく
なる時があります。


まだまだ、まわりの様々な環境や経験などによって、自分自身がシェイプされて
いってる過程で、自己の概念やアイデンティティも流動的な状態なんでしょうかねぇ。


もちろん、ここでは青年期に形成された、”基本的なアイデンティティ”の事
を言っているのだと思いますが。


Andrew のモデルは”アイデンティティの形成”の概念に基づいていて、

それらは、ざっと言うと、


・アイデンティティは同時に内省や反映、観察する事によって発達する。

・アイデンティティは全てのレベルの精神的機能によって行われる。

・個人が自己を判断するのは、自分自身をどう見ているか、他人が自分に
 対してどう判断していると捉えているか、そして他人との関係において
 自分自身をどう見ているかといった観点に基づいている。



ということで、自己のアイデンティティの形成には、個人の物事の”見方”
”捉え方”などといったかなり”主観性”が関わってくる感じがしますね。


だからこそ、親がある程度”客観的な意見や情報、見方”などを子供に伝える
事が、歪んだ認識が植え付けられるのを防ぐのに重要になって来ると思います。


そして、この形成モデルはこれらの4つの構成から成り立っています。

(ここでは基本的なアイデアだけごく簡単にあげておきます。)


■The Four Constructs(4つの構成)


・Validation(バリデーション、確証)

  自己、又は他人による”ギフテッド”である事の確認や認証。

  ギフテッドであるというバリデーションは、学校でのギフテッド
  プログラムなどによる鑑定や、サイコロジストの鑑識、その他、
  親や教師などによる認識、あらゆる実績や成就による自己発見、
  自己認識などによってなされる。

  
  やはり個人にとって、”自分はギフテッドである”というのを自他
  共に認証する事が、大切な第一歩のようですね。


・Affirmation(確認)

  ギフテッドの個人に対しての、まわりの援助や支援者達による
  継続的で相互関係的承認や再確認。

  子供が”ギフテッドである”というバリデーションをした後も、
  引き続き学校での学習やその他の環境での経験などを通して、
  親や先生、周りの者達が、子供の”ギフト”を何度も”再確認”
  ”再認識”してあげ、子供の”ギフテッドである”という意識を
  強化していってあげることが大切である。


・Affiliation(友好関係)
  
  アフィリエーションとは似たような性質や情熱、願望、そして能力
  を共にする者達の連合で、自らのアイデンティティを失う事なく
  社会や団体に交わる事ができている事を示す。

  
  ギフテッドのアイデンティティが最適な状態で発達して行く為には
  この団体が”ギフテッドの概念”に対して支援的である事が条件である。

  
  バリデーションやアファーメーション(再確認)では、親や教師など
  と言った権威者との関係(第一の関係)がフォーカスとなってましたが、
  ここでは友達や仲間、兄弟、同僚などといった、第二の関係が重要点
  となってきて、これらの関係は個人が両親や家族から離れ、自立心の
  育成を促進し、健全な”自己の全体像”の発達を支援するので非常に
  大切である。
   
  ギフテッドアフィリエーションは、ギフテッドの個人がそのユニークさ
  が評価され、容認される
場でもあることから、ギフテッドの子供は友達
  を作る際、自らが”ギフテットである”と言う事を否定する必要がない。
 

という事で、ギフテッドの人達にとって同じような仲間との交流の場を獲得
する事は、とても重要どころか必須ですね!


・Affinity (アフィニティ)

  ここで言うアフィニティとは、個人が感じる、自分自身と世の中や
  人生の謎を繋ぐコネクションなどの親近性の事で、ギフテッド特有の
  燃え上がる情熱やゴール、意欲、渇望なども意味する。
  
  これらは彼らの使命、そして生きて行く上での目的でもある。
  
  ギフテッドの人達の見せる凄まじい”学習欲”や強烈な興味関心、
  そしてこれらを追求する猛烈な欲望に、このアフィニティの存在
  を確認する事ができる。



尚、カウンセリングではこの4つの要素を基礎に、この他”アイデンティティ
の形成”に影響を与える12のシステムが統合され、更に詳しく分析をして
いく形態となってるみたいです。

そちらの方はカウンセリングに適用されるツールですので、ここではあえて
とりあげませんが、興味のある方はこちらのリンクで説明されています。

(マトリックスのチャートも見る事ができます。)

「The Gifted Identity Formation Model」


まぁ〜、長々と書いてしまいましたが、ここまで読んでくれた方、その忍耐力
を大いに評価します! emoticon-0148-yes.gif


というわけで、ギフテッドの人達の健全なアイデンティティ形成の為には、
やはり”自らがギフテッドである”という事を認識し、(子供の場合はあえて
”ギフテッド”という言葉を用いなくても、別の言葉でギフテッドの本質を
説明する事もできますしね。)その後も引き続き、そのギフトを大いに活かし
たり、更に伸ばしていってあげる機会を与え、常にギフテッドである事を何度
も確認、認識してあげながら子供の意識を強化していってあげ、同じような
仲間との交流の場を確保してあげ、個人の人生においての目的や、世界、人生
のミステリーなどへの繋がり、そしてギフテッドならではの特質の部分を肯定
し、サポートしていってあげるという事が大切なんですね。


こういった部分を幼い頃から考慮していれば、青年期の自己のアイデンティティ
形成時期には、自分自身に対してかなり健全なイメージや自己の概念を持つ
事ができるんではないか?と思ったりします。



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by mathgifted | 2013-05-15 07:33 | Gifted/2E


数学が得意な15歳の2E kid(ASD&ギフテッド) あーちゃんの毎日を綴っています。ネバダの山奥で熱愛する数学を修行中!将来は大学の数学教授になるのが夢。13歳から本格的に地元の大学で数学のコースを受講し始めました。 目指すはMIT or Caltech! 


by あーちゃんママ

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